コオロギ科

ヒロバネカンタン…(以前は、タイワンカンタンともよばれていました)

オスのヒロバネカンタンの写真
2015年9月1日…大阪府池田市(飼育)

成虫の見られる時期

年2回(7月・8月〜10月)

成虫の見られる場所

クズなどがはえる草原、どちらかといえば都市周辺の荒れた環境。
特に、海岸部に多い。

鳴き声

フィリー・フィリー・フィリーと続ける。

都市周辺のクズなどがはえている草原で、ふつうに見られます(ほかのコオロギのなかまよりは局地的)。川の堤防の草原に多いようです。大阪府池田市周辺というわけではありませんが、海岸部に多く見られます。

クズの葉の上で鳴いていることが多いのですが、カンタンのほうがクズの葉をうまく共鳴させているようです。見かけは、カンタンとそっくりで区別ができません。ややオスの翅の幅が広いようです。ところが、捕まえて腹部を下から見ると、『カンタンには、はっきりとした黒い線』があります。『ヒロバネカンタンには、黒い線がない』ので簡単に区別をすることができます。

かつて、タイワンカンタンとよばれていたものは、このヒロバネカンタンです。

左の写真は、ヒロバネカンタンのオスです。

(大阪府池田市周辺を基準にしています)

ヒロバネカンタンのメスの写真

 上下の写真は、ヒロバネカンタンのメスです。カンタンのメスとよく似ています。しかし、上の写真のようにヒロバネカンタンの産卵管は先だけが黒く見えます。カンタンでは、産卵管の見える部分は全体が黒く見えます。

 下の写真では、ヒロバネカンタンの腹部が写っています。黒い線はまったく見られません。カンタンでは、このように横から見ても黒い線がはっきりと見えます。

ヒロバネカンタンのメスの写真

カンタンのメスの腹部の写真
2015年8月26日…大阪府池田市(飼育)

参考−カンタンとヒロバネカンタンの区別のしかた。
 写真のようにカンタンの腹部にははっきりとした黒い線があります。ヒロバネカンタンは緑色でまったく線は見られません。また、メスではヒロバネカンタンの産卵管は先だけが黒くなっています。カンタンは産卵管全体が黒くなっています。
 もちろんオスの鳴き声はヒロバネカンタンとカンタンとではまったく違います。


クズの葉の裏のヒロバネカンタン
2011年9月14日…兵庫県川西市日生

 以前カンタンが鳴いていた場所に行きました。耳を澄ませると聞こえてきたのはヒロバネカンタンの声でした。カンタンの連続音ではないのです。この場所もだんだんと環境が荒れてきたのかなと感じました。上の写真はクズの葉の裏で鳴くヒロバネカンタンです。下の写真はそのヒロバネカンタンのアップです。

鳴くヒロバネカンタン

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