ハネナシコロギス

 

ハネナシコロギスの交尾の写真
2016年6月17日…大阪府池田市五月山

 ハネナシコロギスが交尾をしていました。コオロギやキリギリスに近いなかまとは思えない交尾です。この状態を数時間続けるようです。


ハネナシコロギスの写真
2011年9月7日…大阪府池田市五月山

 大阪府池田市の五月山で鳴く虫を調べているとササの葉の上にハネナシコロギスがとまっていました。ハネナシコロギスは、コロギスのなかま(コロギス科)に入っています。コオロギのなかまと異なりキリギリスに近い分類になります。この時期はとても小さな幼虫でした。5mmあるかどうかという感じでした。まだ、オスとメスの区別がつきません。きっとよく見ると違いがあると思うのですが。


ハネナシコロギスの若齢幼虫の写真
2015年9月15日…大阪府池田市五月山

 ハネナシコロギスの若齢幼虫を探しに行きました。いるのはいるのですが、小さくてすばしっこく、捕まえるのに苦労しました。育ててオスとメスの区別のしかたを調べようと思います。

ハネナシコロギスの若齢幼虫の写真


越冬後のハネナシコロギスの写真
2016年3月31日…大阪府池田市(五月山産)

 2016年3月31日の夜、ケースを見ると5ひきのハネナシコロギスのうち2ひきが巣から出ていました。この時期くらいに越冬が終わるようです。採集した時の二倍くらいの体長になっているように感じました。ちなみにコロギスも巣から出ていました。


越冬後に野外で見つけたハネナシコロギスの写真
2016年5月10日…大阪府池田市(五月山産)

  2016年5月8日の早朝、夜間撮影のカメラのデータを確認しに行くと、かぶせてあるビニール袋の中にハネナシコロギスのメスが入っていました。昨年(02015年秋)から飼育しているものより、少し大きな個体でした。約1.5cmありました。飼育をしているものもそうですが、メスは写真のようによく産卵管を腹部の上にまわしています。越冬後は目で見ただけで雌雄の区別ができるようになりました。飼育しているものと比べ、触覚が切れて短くなっていました。


ハネナシコロギスオスの終齢幼虫と思われるものの写真
2016年6月3日…大阪府池田市五月山

 成虫になったと思われるハネナシコロギスの生態を観察しました。写真では、下のものはメスの成虫で間違いないと思います。ただ、上のオスのハネナシコロギスは終齢のような気もするのですが自信がありません。もう少し観察をしないとはっきりしません。オスも成虫になると下のメスのような色と模様になるような気がします。※

※じつは、先日飼育しているハネナシコロギスのオスの写真を撮影していました。くらべると上のハネナシコロギスのオスは亜成虫のようです。

ハネナシコロギスメス成虫の写真


ハネナシコロギスのオスの成虫の写真
2016年6月1日…大阪府池田市(飼育・五月山産)

 ふと、先日飼育しているハネナシコロギスのオスの写真を撮影したことを思い出しました。終齢のメスと色合いや模様がよく似ています。やはりこちらがハネナシコロギスのオスの成虫のようです。


交尾をするハネナシコロギスの写真
2016年6月13日…大阪府池田市(飼育・五月山産)

 交尾の時期を確かめるために、3組のハネナシコロギスを飼育していました。ところが2日前から別の容器のオスとメスがタッピングを始めました。
 今日6月13日にその2ひきを同じ容器に入れました。すると午後10時前には交尾が成立していました。これを参考にすれば、野外での交尾を観察することが出きるかも知れません。


産卵をするハネナシコロギスの写真
2016年6月20日…大阪府池田市(飼育・五月山産)

 飼育下のハネナシコロギスが産卵をしていました。写真はプラスチックのケースの中なので見ずらいのですが、産卵のようすはわかります。しかし、これを自然の状態で見るのは不可能に近いですね。


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コロギスのオスの成虫の写真
2016年6月30日…大阪府池田市五月山

 コロギスの成虫がよく見られるようになりました。上の写真はコロギスのオス成虫の写真です。それでもまだ亜成虫もけっこう見られます。下の写真はコロギスメスの亜成虫です。

コロギスのメス亜成虫の写真


コロギスの初齢幼虫の写真
2016年7月1日…大阪府池田市(飼育・五月山産)

 6月30日に飼育ケースに入れていた朽ち木を取り出しました。ひょっとすると小さな初齢幼虫が孵化したときに食べられるかもしれないと考えたからです。その夜、1ぴきの初齢幼虫が移動したケース内にいるのに気付きました。しかし、写真が撮れませんでした。7月1日の夜もケースの上に1ぴきの初齢幼虫がいました。上の写真です。ほかのコロギス類と同様に黒っぽい色をしています。体の長さは5mm近くあります。晩夏に見る幼虫と体長はさほどかわりません。しかし、太さが全く違います。触角はやはり体長の5倍以上はあるようでした。
 北摂地域にすむコロギスの初齢幼虫も非常によく似ています。

※その後この年(2016年9月までこの容器内では幼虫は1ぴきも孵化しませんでした。この幼虫が1ぴきだけ孵化したのが不思議です。ひょっとして産卵させようとして持ち帰った枯れ木の小片に昨年の卵が入っていた可能性があるのかも知れません)
 残念ながら1週間ほどたってこの幼虫は死んでしまいました。コロギス類の初齢幼虫の飼育はとても難しいようです。

※9月6日にハネナシコロギスの幼虫が孵化しました。ハネナシコロギスの初齢幼虫の色は淡い茶色でした。これまでハネナシコロギスの初齢幼虫だと思っていたのは、コロギスの幼虫でした。

コロギス初齢幼虫の写真


ハネナシコロギスの2齢前後の幼虫の写真
2016年8月7日…大阪府池田市五月山

 ハネナシコロギスの若齢幼虫が多くいるのではと思って山に行きました。上の写真は小さかったので2齢前後、下の写真は少し大きかったので3齢前後かもしれません。しかし、見た感じは大きさ以外違いが分かりません。7日に2ひき、10日に1ぴきの小さな幼虫を見ました。成虫はどちらの日にも5〜10ぴきほど見ています。若齢幼虫が予想外に少ないと感じました。

ハネナシコロギスの3齢前後の幼虫の写真
2016年8月10日…大阪府池田市五月山


ハネナシコロギスの初齢幼虫の写真
2016年9月6日…大阪府池田市(飼育・池田市五月山産)

 ハネナシコロギスが産卵した可能性のある木を入れた容器は毎日見ていました。しかし、6月から1ぴきも孵化をするものがいませんでした。

 9月6日、驚いたことに体長3mmほどの初齢幼虫が2ひきもいました。コロギスの初齢幼虫よりもまだ小さい幼虫です。ほかのコロギス類の初齢幼虫と違い透明がかった茶色です。孵化の時期が遅いのにも驚きましたがこれがハネナシコロギスの初齢幼虫と思われます。ハネナシコロギスの2-3齢幼虫とさほど色が変わりません。以前の7月1日のものはコロギスの幼虫だったようです。※その後の成長からハネナシコロギスの初齢幼虫で間違いありませんでした。

ハネナシコロギスの初齢幼虫の写真


ハネナシコロギスの1齢幼虫の写真
2016年9月16日…大阪府池田市(飼育・池田市五月山産)

 ハネナシコロギスの初齢幼虫(1齢幼虫)は、ほんのわずかに太くなりました。あと1週間ほどで2齢幼虫になりそうです。しかし、この時期に見られる野外での2-3齢幼虫の大きさに追いつけるのか心配になります。


ハネナシコロギスの初齢幼虫の写真
2016年9月25日…大阪府池田市(飼育・池田市五月山産)

 台風と秋雨前線の関係でここ数日朝は肌寒い日が続いていました。今日(25日)は少し暑く感じるような一日でした。午後6時ごろいつものようにハネナシコロギスの産卵木の入っている容器を見ました。驚いたことに初齢幼虫が2ひきも走り回っていました。2齢にまるまでが難しい幼虫です。こんな時期に孵化をして、越冬(幼虫越冬をします)まで成長できるのかと思いました。

 
  茨城県産ハネナシコロギス・メスの写真
2017年7月5日…大阪府池田市(飼育・茨城県産)
   ネット上にあるハネナシコロギスの写真を見ていると不思議に感じることがあります。ハネナシコロギスの体色には違いがあります。しかし、地域によって極端に違いがあることは少ないように思います。
 このページのハネナシコロギスの写真はほとんどが大阪府池田市産のものです。極端な個体差は一部でしか見られません。ちなみに茨城県産のハネナシコロギスを譲っていただきました。上下の写真がそれです。大阪府のものと比較すると体全体の赤味が少なくなっています。また、黒い部分もはるかに少なくなっています。ハネナシコロギスはさほど移動性のある昆虫とも思えません。地域差が固有のものか、徐々に変わっていくのか調べてみると面白いと思います。全国のハネナシコロギスを集めるのが大変ですが…。
  茨城県産ハネナシコロギス・オスの詩や新