カヤネズミに会えた…2007年

 2007年6月。猪名川河川敷に、アレチハナガサの花が目立つようになってきました。セイバンモロコシもぐんぐんと背丈を伸ばしていました。

アレチハナガサの花
2007年6月10日…大阪府池田市A

 2007年、カヤネズミの季節がやってきました。今年はまだ一度もきちんとカヤネズミの巣を確認していませんでした。6月10日、1時間ほど見てきました。

池田市Aのカヤネズミの球巣

 ありました。2006年にカヤネズミをよく見かけた場所に球巣がありました。池田市Aです。周囲を見ましたがほかの巣は見あたりませんでした。巣作りはもう始まっていました。

池田市Bのカヤネズミの球巣
2007年6月10日…大阪府池田市B

 ほかの場所も確かめておきました。左の写真は、池田市Bにあったカヤネズミの球巣です。

あまり形の整っていない球巣
2007年6月10日…大阪府池田市A

 池田市Bの巣からカヤネズミが姿を見せました。

草の中のカヤネズミ
2007年7月27日…大阪府池田市B

 2007年7月27日、今年初めてカヤネズミの写真が撮れました。左の写真です。まるで緑色のもやがかかっているようですが、草の中にいるカヤネズミの写真はだいたいこのようになります。はっきり写ったのはしっぽだけでした。

カヤネズミのしっぽ

カヤネズミの新しい巣
2007年8月5日…大阪府池田市B

 新しい巣もいくつかあります。しかし、なかなか成体に出会うことができません。

巣に近づくカヤネズミ
りっぱなカヤネズミの巣
2007年8月13日…大阪府池田市B

 立派な巣です。子育てをしているに違いありません。夕方、写真のピントも合わせられないほどに暗くなったころ、巣の下のほうで白いボーッとしたものが動きました。カヤネズミかも知れません。後で写真を見るとやはりカヤネズミでした。子育て中の母親のカヤネズミだと思われます。

2007年8月13日の夜はライトに赤いセロファンをつけて観察をしました。しかし、ずっと巣をながめるだけで終わってしまいました。

粉砕される前のカヤネズミの巣
2007年8月14日…大阪府池田市B

 繁殖をしているのでふだん見られないことを観察できるかも知れません。

 また、14日は朝から観察を続けました。変化はありません。続きは夕方からにすることにしました。

 しかし、これが最期でした。

草が刈られるカヤネズミの生息地

 午後、行って驚きました。観察していた巣がありません。もちろん周囲にあった10個ほどの巣も…。

きざまれた草

 刈られた後に巣が落ちていないか探しましたが、写真のように粉々になっています。

 

 刈っていた人に聞くと、

「猪名川の花火大会で業者が車を置く場所にする。」

「市の○○○○課の仕事です。」

とのことでした。

 花火を見たときには、花火大会のために命を散らしていったカヤネズミの親子たちのことも心の片隅においてやってください。

 いったい大阪府のレッドデータってどんな意味があるのだろう。

 そのまま草刈りは進み、周囲は全部刈られてしまいました。このままでは、…。お願いに行きました。河川敷を管理している近畿地方整備局猪名川工事事務所と池田市役所へ。

 何とどちらも快く、「カヤネズミのすむ環境を守るようにしましょう。」との返事でした。カヤネズミになりかわり、「ありがとうございました。」