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ハンミョウ(はんみょう)…2000年前後の池田市でのようす




水際のハンミョウ

 ハンミョウ……どうしてこのような名前がついたのか、不思議(ふしぎ)でなりません。この昆虫は、山の道をあるいている時にすがたを見かけます。これは、成虫(せいちゅう…親)で、別名(べつめい)“道教え(ミチオシエ)”ともよばれています。わたしたちが山道などを歩いていると、その前を、近づくともう少し先にとんでは止まるということをくり返すのです。そのようすが、まるで道を知らせているように見えるので、このような呼(よ)び名がついていたようです。
 五月山で出会うハンミョウには、青や赤の美しい昆虫がいます。顔をよく見ると、アリジゴクのように大きなあごをもっています。成虫は、活発(かっぱつ)にとびまわって他の昆虫などを食べています。
 ところで、この幼虫(ようちゅう)も、アリジゴクのように土の中で待ちぼうけをして他の昆虫などが近くを通るのを待っているのです。アリジゴクのようにすりばち型の穴(あな)はつくらずに、自分の体よりやや広めのたてあなにます。近くを通りすぎるものがあれぱ、いきなり頭を出してあごでそれをひっぱりこむのです。
 左の写真は、五月山の東山あたりで見たハンミョウです。
 昔の子どもは、時にはこのハンミョウの仲間(なかま)の幼虫をとって楽しんだそうです。細い木の枝などを幼虫にくわえきせ、サッとひきずり出すのだそうです。ただし、いきなり引っぱると頭だけがちぎれてしまうので、こつがいるそうです。
 池田市では、1998年ころまでは、五月山の横岡公園で幼虫を見ることができました。池田市内の小学校の先生達と『はんみょうつり』を確かめてみました。残念(ざんねん)ながら、1匹もつれませんでした。幼虫は、顔を出していたのですが…。ひょっとすると、他の種類のハンミョウの幼虫がよくつれるのかも知れません。

横岡公園

((横岡公園北側…ハンミョウの幼虫は、ここからの道をあがった左側の斜面(しゃめん)で見られました。))


 1999年は、確(たし)かめていません。
 2000年の2月に行くと、公園がきれいにされ、ハンミョウがとんだ土の道はほそうされていました。幼虫がいた斜面(しゃめん)は、芝(しば)がはられていました。『美しいハンミョウがすんでいた公園』は、『ハンミョウのすまない美しい公園』になるのかも知れません。

 


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