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コブハクチョウが子育てをしているというので見に連れて行ってもらいました。なるほどほかの方の言われる時間になると巣から出てきました。野生の鳥は子育てのときに近づくと巣を放棄することがよくあります。近寄れません。ここのコブハクチョウは伊丹市の昆陽池からやってきたそうです。昆陽池では飼育数が減り、繁殖するものがいなくなったそうですが、周辺の地域では若いコブハクチョウがやってきて子育てをしているようです。 |
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子ども達は食べ物を探しています。お母さん鳥も時々羽ばたいていました。 |
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この場所に来たときに気になったものがありました。何か作業をするようなものがすみにならべてあったのです。話しを聞くうちに、遠くにテグスが足に刺さって1本足でしか歩けなくなった父親のコブハクチョウがいることを知りました。右の足にはしっかりとルアーのテグスと針が刺さっています。まったく動きません。左の足だけで泳いでいます。 |
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二回網を打ちました。しかし距離があって届きません。最後の場所で網がかかりました。すぐに人が飛びこんで助け上げました。何日もこの作戦を立てて、準備を考えてきたそうです。 |
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真剣なようすでの治療が続きました。30分近くかかったような気がしました。 |
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ていねいに、何度も消毒が行われていました。隙間から少しだけ見ることができました。 |
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足からばらされた、刺さっていた針と、テグスが絡み付いていたルアーです。コブハクチョウが池に放たれました。すぐに右の足も使って泳ぎ始めました。何度も鳴いていました。でもまずはちょっと安心しました。ても、母親や子ども達といっしょになれるか心配です。何しろこの状態が半月も続いていたそうですから。 |
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時間は少しかかりましたがコブハクチョウの父親と母親、子ども達はいっしょに巣に戻ってきました。いっしょになれました。 |
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父親のコブハクチョウが何度も右の足をくちばしでさわりながら陸に上がりました。最も、「よかった。」と思えた瞬間でした。右足の黒い部分を使っているのが見えるでしょうか。 しかし、ひとつのルアーがからまってこんな事態になりました。ルアーを使った人がこのようなことが行われているかは知らないと思います。しかし、何10人もの関わりがあって、やっとオスのコブハクチョウは陸を歩くことができました。 作業を終えた人たちの顔には達成感がありました。最近、いろいろがんばっている人たちの姿を見せていただいているような気がします。見守ってくださっていた人たち、そして何よりも役所のみなさん。いそがしい中を一羽の鳥を助けるために時間をさいていただきありがとうございました。 今夜のテレビや明日の新聞にこの内容の記事が載ると思います。わたしは通りすがりでよくわかっていない部分もありますので、全体的なことはテレビや新聞を見てください。 いつも猪名川で鳥を観察しています。足が1本しかないキジバト。足がテグスでぐるぐる巻きになったセグロセキレイ。傷ついて飛べなくなった鳥たち。どの鳥にもこのような手は差し伸べられません。これが自然の摂理なのだからそれにまかせるしかない。そんな返事が返ってきます。しかし、人が原因でテグスで傷ついたり、塒を追われて隠れ場所を奪われた鳥が危険な状態になったのは自然にそうなったのではありません。人の行為によってそうなったものも多いのです。 |
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