歳時記に戻る

この春を亡き友に捧ぐ…歳時記:季節の風

 

ヤマザクラの花
2013年4月5日…兵庫県宝塚市

 天国に行って1日がたちましたね。最後に、「ギフチョウが見たい。」と言っていたので近くで車いすでも、背負ってでも行けると考えていた兵庫県宝塚市にギフチョウを探しに行ってきました。もう山の低い場所ではヤマザクラが満開でした。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

テングチョウ

 やはり最初に出会ったのはテングチョウとアシブトハナアブでした。数の多さでしょう。

アシブトハナアブ

 多いと言えばビロードツリアブです。こんなに多かったかな、と思うほど水を吸ったりしていました。

ビロードツリアブの写真

ウラギンシジミ

 いろいろなチョウが姿を見せてくれます。上は成虫越冬後のウラギンシジミです。もちろんメスです。下はスジグロシロチョウです。とても新鮮に見えました。

スジグロシロチョウ

カラムシに産卵するアカタテハ

 この時期のアカタテハは競うようにカラムシに産卵をしています。

越冬後のルリタテハ

 何びきかルリタテハにも出会いました。

古い瓦屋根

 古い瓦の上にコケが乗っていました。このような景色はわたしも好きです。俳句が好きだったからこのようなものを見ると考えるところでしょう。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

地蔵

 こういうのも俳句に使えそうかな。

シュンランの花

 いつもギフチョウを見ていた場所です。食草の付近にあるシュンランはきれいな花を咲かせていました。そうそう今日の目的はギフチョウです。でもここでの発生は後1週間くらい後のはずです。

ギフチョウ

 ところが林に沿って飛ぶチョウがいました。ギフチョウです。そのまま飛んでいきました。もちろんこの時期に、この場所でギフチョウを見るのは初めてです。いっしょに見たかった。

吸蜜中のコツバメ

 もちろんここでもコツバメやミヤマセセリを見ました。コツバメが吸蜜するのをはじめてみました。あなたのおかげです。ありがとう。

ミヤマセセリ

コバノミツバツツジ

 いつもの場所はまだコバノミツバツツジは咲いていませんでした。しかし、日あたりのいい場所ではきれいに咲いていました。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

2013年4月11日…兵庫県宝塚市

 早くから咲いていたサクラの花は散り始めました。水でぬれた岩にも桜の花びらがついていました。若葉が日に日に成長していくのがわかります。でも、山の中のヤマザクラなどはこれからが見ごろです。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

 ヤマブキの花も満開が近づいてきました。この前ギフチョウが飛んでくれた日は暖かかったのですがここ数日はあまり気温が上がりません。今日は昼ごろになってやっと1ぴきのアカタテハが道路わきの岩場から飛びだしただけでした。やはりこの前のギフチョウは特別に出てきてくれたのかもしれません。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

ミツバツツジの花
2013年4月13日…兵庫県宝塚市

 最高気温が15℃くらいの日が続きます。昨日も行くのを少しためらっていました。ところがちょうど行く機会ができました。いつもの池のコバノミツバツツジです。満開になったところでした。早春にこの花を見ただけで、野山に出てよかったと思います。

 上の写真はクリックすると大きな画像になります。

ギフチョウの写真

ギフチョウの写真

 天国でわたし達を見守るようになって9日が過ぎましたね。ギフチョウが北摂の地でもふつうに飛ぶようになりました。写真見てくれました。気温があまり高くなくて多くはありませんでしたが1ぴきは足下にとまってくれました。

 チョウの好きな人は春になると毎年のようにギフチョウに会いに行きます。去年も行ったのに。そんなことなど考えもしません。ギフチョウに会わないと、幕が開かないかのようです。ギフチョウはそんな春の輝きを放つチョウのようです。今年のギフチョウはこれまでに見たどのギフチョウよりも輝いて見えました。写真を撮るときも、「もっと輝いて。もっと。もっと。」という言葉だけが頭の中にありました。

 あなたが教えてくれたのは、じつはギフチョウの輝きだけではないような気がします。ギフチョウだけでなく、すべての生き物たちが、すべての物が、すべての人がそれぞれの輝きをもっているんだよ。その輝きって、そう、生きるということだよ。

 わたしの病気も自分が思い通りにならなくなってから2年たちました。何もしたくなくなったわたしが、これまで撮影などしたことのなかった、人や古い建物などの写真を撮るようになりました。子どもの笑顔の写真が撮りたい、働く人の写真が撮りたい、歴史をいっぱいつめこんだ古びた建物を撮りたい、顔がしわくちゃになったおじいさんやおばあさんの写真が撮りたい…。

 生きている。それを感じられるからだと思います。

 身のまわりのものが偶然重なるようにして教えてくれたようです。もちろん今一番強く後ろからおしてくれているのはあなたです。

 生きている輝きを探しに、前に向かいます。

 このホームページも10年以上がたちました。もともと、自然の素晴らしさを子ども達に伝えたい、そんな思いから始めました。今もそれは変わっていません。生き物以外の素晴らしさも伝えられたらいいなと思っています。

 このホームページは写真を見てもらうために作ったのではありません。知らなかったでしょ。見てから自分も会いに出かけたいな、そんな気持ちになってほしくて作り始めたのです。大人たちは、今の子どもは木にも登れないと言います。でも子ども達のまわりから木を奪ったのは今の大人です。空き地すらないのですから。土にも触れないでしょう。子ども達には一生にかかわる大切なことなのですが。

 わたしには、身近にそんな土に触れる場所すら作ってあげることができません。きっと近い未来にはそのようなものが戻って来るとは思うのですが。でも、今のそんな子ども達が一生背負っていかなければならないものを何かで補ってあげたいと思います。

 それは生きることの素晴らしさを見つけさせてあげることです。

 今、こんな気持ちになっています。このようになるとは考えてもみませんでした。ありがとう。やっぱりあなたのおかげです。わたしのまぶたには、ときどき涙は流れていたけれど、いつも笑って話してくれたあなたの顔が焼きついています。握ってくれた手をはなさなければよかった。ずっとそう思っていました。

 でも、あなたの笑顔や手はいつもわたし達のまわりにあるのですね。ただ、それに気づかなかっただけなのですね。

 生きるということを。

シュンランの写真

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

若葉にとまるギフチョウ
2013年4月14日…兵庫県宝塚市

 今日もいつもの場所にギフチョウを見に行きました。2日連続で同じ場所に行くなんて初めてです。

 もし天国からギフチョウを見ようとしても上からしか見ることができません。枝先にとまったギフチョウを地面にはいつくばって撮影しました。

 Hir.さんがこれはどうですか、とあなたが好きだった芭蕉の俳句を教えてくれました。


さまざまの

事おもひ出す

桜かな

 

松尾 芭蕉


 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

カンサイタンポポの綿毛
2013年4月19日…大阪府箕面市

 医師に「最後にしたいことは何ですか。」と聞かれたときに「ギフチョウが見たい。」と言ってましたね。そして病院を移るときに「病院の前にレンゲ畑があるので見てみたい。」と言っていましたね。見に行ってきました。しかし、数年前からレンゲ畑にはしなくなったようです。でも、カンサイタンポポやオオジシバリ、ムラサキサギゴケがたくさんの花をつけていました。タンポポの綿毛はカンサイタンポポです。下の紫色はムラサキサギゴケ…。

 写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

水辺のムラサキサギゴケ

カンサイタンポポの綿毛

 レンゲ畑に行ってきました。といっても大阪府池田市の東山町のレンゲ畑です。

水田のレンゲ畑
2013年4月20日…大阪府池田市東山町

 一面のレンゲ畑とまではいきませんが、これだけ広がっていれば十分ですね。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

東山町のレンゲ畑

 一面に広がるレンゲ畑も好きですが、ひとつずつの花のピンクの濃淡がとても好きです。

レンゲに来たセイヨウミツバチ

 レンゲ畑といえばミツバチです。今日もセイヨウミツバチがやってきました。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

レンゲの花

 この淡い花を便箋にあしらうととてもやさしい雰囲気になります。

 便箋に使えるようにJpegのFineの大き目の画像を置いておきます。上の写真をクリックすると画像が見られますのでこの写真は自由にアレンジして使っていただいて結構です。

 便箋というとあなたに伝えてきたこのたよりもそろそろ幕を閉じようと思います。あなたが教えてくれた、生きることの大切さや輝きはこれからもずっとほかのページで紹介を続けていきます。

 天国から見守ってください。

歳時記に戻る