メスアカケバエ

 

群れで飛ぶメスアカケバエのオス
2010年4月18日…大阪府高槻市鵜殿

 春3月から5月にかけて、特に4・5月ごろに畑の周囲や河川敷の草の茂った場所などで上の写真のように黒いハエが何びきも飛んでいるのを見かけます。長い足を下に伸ばし、同じ場所で飛んでいるかと思うと急にほかのケバエを追いかけたりすることを繰り返しています。ケバエのなかまです。

 ケバエのなかまは何種類もいるのですが、北摂地域で春によく見かけるのはメスアカケバエとハグロケバエ、クロアシボソケバエです。私の経験では河川敷ではメスアカケバエをよく見かけます。オスはハグロケバエとそっくりなのですが、メスアカケバエのメスは下の写真のように胸の背中のほうと腹がオレンジ色なのでメスを見れば種類の区別は簡単にできます。ハグロケバエはメスもオスと同様の黒い色をしています。また若干ハグロケバエの方が大きいようです。ハグロケバエのメスはハグロケバエのオスと同様に黒い色をしています。

 群れて飛んでいるのはオスの場合がほとんどですが、周囲を探すと交尾をしているものを見つけることができます。

セイヨウカラシナの花を食べるメスアカケバエのメス

 メスアカケバエのメスがセイヨウカラシナの花を食べています。

交尾中のメスアカケバエ

 上の写真は交尾中のメスアカケバエです。メスアカケバエの体の大きさはおよそ1cm前後ですがメスのほうが一回りオスより大きな体をしています。また、腹の部分もメスのほうは特に大きくふくらんでいます。

 その他のメスとオスの大きな違いは複眼です。オスが大きな目をしているのに対して、メスは小さな目をしています。

カニグモにつかまったメスアカケバエのオス

 メスアカケバエのオスがカニグモのなかまにつかまっています。よく見られる光景です。つかまっているオスの体を見ると、翅の形が体に近いところがくびれたようになった変わった形になっているのに気づきます。

止まるメスアカケバエ
2011年4月24日…大阪府池田市新町

 2011年の春がやってきました。メスアカケバエは淀川の河川敷だけでなく、猪名川の河川敷でもよく見かけます。この日は太陽が顔を出さなかったためか草などにたくさんのメスアカケバエが止まっていました。

ハグロケバエと思われる幼虫
2011年10月29日…大阪府池田市伏尾町

 上の写真を見ると何のかたまりかと思ってしまいます。ケバエのなかまの幼虫のかたまりです。この辺りではメスアカケバエしか見たことがなかったので、メスアカケバエの幼虫と考えました。落ち葉を食べるといっても1ぴきずつが単独で食べるのではありません。下の写真のように幼虫が集団で落ち葉を食べます。食べながら移動をしていきます。

 その後ケバエ類を調べるうちに、この幼虫の生息場所や大きさ、落ち葉を食べていることからメスアカケバエよりもハグロケバエの可能性の方が高いと考えています。

ケバエの幼虫の集団

メスグロケバエのオス
2013年4月21日…大阪府池田市室町

 3月なみの気温でした。北風が冷たく感じられます。今日の最高気温の予報は15℃くらいでした。地面を探すとメスアカケバエのオスがいました。10数ひき見つけましたがすべてオスでした。発生の初期でメスがいないのかとあきらめて帰りかけたときに2ひきのメスを見つけることができました。気温が低いのでみんな葉にとまったままでした。メスアカケバエのオスとハグロケバエのオスはよく似ていますが、慣れるとメスアカケバエのオスの胸はやや丸くてつやがあるので区別ができます。

メスグロケバエのメス

葉にとまったメスアカケバエのメス
2013年4月25日…大阪府池田市桃園

 天気が良かったのでメスアカケバエのオスがたくさん飛んでいました。たまに飛んでいるメスも見ます。少し風が出ました。葉にとまっているメスアカケバエのメスがいました。

飛び立つ前のメスアカケバエ
2013年4月26日…大阪府池田市桃園

 朝、メスアカケバエのオスが飛びだす準備をしていました。飛ぶ前に脚で体をきれいにします。

メスアカケバエの交尾
2013年5月3日…大阪府池田市室町

 気温の低い日が続きます。それでも少し気温が上がるとメスアカケバエのオスが飛び始めました。草の上などには交尾をしているものもいました。