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クロヤマアリのくらし

 

ヨトウガの幼虫?を襲うクロヤマアリ
2010年3月21日…大阪府池田市伏尾町

 

※最近はアリの分類もすすんできました。このページもクロヤマアリとしていますが、一部にハヤシクロヤマアリが混じっていると思います。ただ写真で判断するのは難しいので、ひとまず多くがクロヤマアリでハヤシクロヤマアリも混じっていそうだと考えてください。半分以上がハヤシクロヤマアリの可能性もあるのですが。アリにも詳しいI.さんに見たいただいたハヤシクロヤマアリと思われる写真は一番最後にあります。同定に自信がつきましたら別にハヤシクロヤマアリのページを作ります。

 

 2010年3月21日、クロヤマアリがガの幼虫を襲っていました。ガの幼虫はヨトウガのなかまのようです。クロヤマアリにとって大きな獲物なので30分近くかかっても10cmほどしか移動させられませんでした。

 クロヤマアリは、最もく見かけるアリです。働きアリの体の長さ、体長は5mm前後で写真のように黒に近い灰色をしています。全体に少しつやっぽい感じがします。日あたりのよい平地から山地にかけて広い範囲で見ることができます。

ガの幼虫を襲うクロヤマアリ

 ほんの1mもはなれない場所で、ここでもクロヤマアリがガの幼虫を襲っていました。この時期にはガの幼虫を襲うことが多いようです。クロヤマアリは死んだ虫を餌にすることがよくありますが、生きた虫もよく獲物にして襲っています。

巣の出入り口のクロヤマアリ

 近くのクロヤマアリの巣にはたくさんのクロヤマアリが見られました。巣から土を運んでいるものも多く見られました。

 2010年は2月24日に初めて巣から外に出てきたクロヤマアリを見ました。大阪府池田市豊島北の町の中での初見です。ほかの場所ではもう少し早い時期に姿を見せていたのかも知れません。

2010年2月24日…大阪府池田市豊島北

2011年初見のクロヤマアリ
2010年2月23日…大阪府池田市豊島北

 2011年の初見は2月23日でした。それ以前にも暖かい日はあったのですでに姿を見せていのかもしれません。

カラスノエンドウの蜜を吸うクロヤマアリ
2010年4月29日…大阪府池田市伏尾町

カラスノエンドウの花外蜜腺

 クロヤマアリが歩き回っています。時々植物にも上っていきます。最もよく上るのはカラスノエンドウのようです。上の写真のようにしてじっとしているものがいます。しきりに触覚を動かしながら口をつけています。

 左の写真の黒い部分は、カラスノエンドウの花外蜜腺と呼ばれる部分です。ここからも蜜が出ています。クロヤマアリはここから蜜を吸っているのです。この花外蜜腺は写真の茎の裏側にもあります。一か所に二つずつあります。

 ところでカラスノエンドウはこのような場所からクロヤマアリに蜜を吸ってもらってどのような意味があるのでしょう。クロヤマアリの行動を観察すれば答えが分かるかもしれません。

クロヤマアリとヒメオドリコソウ
2010年5月3日…兵庫県川辺郡猪名川町

 クロヤマアリは、カラスノエンドウやヒメオドリコソウによく上ります。ヒメオドリコソウの場合は、蜜を探しているようではありません。花を探さずに、花のあった場所を探しています。探し物は何でしょう…?

ヒメオドリコソウの種子
2010年5月8日…大阪府池田市伏尾町

 上の写真はヒメオドリコソウの種子です。写真では大きく見えますが実際の大きさは2mmあるかないかくらいです。下の肌色の部分は手のひらです。クロヤマアリがこの種子を運んでいる写真を撮りたかったのですがうまく撮れませんでした。クロヤマアリの探し物はこれなのです。上の写真の左の部分が白く見えます。この白いものをエライオソームといいます。アリが探しているのはこの部分で、アリは種子がほしいのではありません。運んだ後、種子はすててしまいます。すてられることによって植物は生える場所をひろげることができます。このような植物をアリ散布植物といいます。身の回りにも多くのアリ散布植物が見られます。石垣のすき間などに生えている植物の多くがアリ散布植物です。アリ散布植物でよく知られているものにカンアオイがあります。日浦勇さんが詳しく調べられていました。この植物のなかまはアリに種を運んでもらわないとほとんど分布をひろげることができません。

マメアブラムシに液体をもらうクロヤマアリ
2010年5月9日…大阪府池田市伏尾町

 クロヤマアリがアブラムシ(アリマキ)に排泄物のあまい液体をもらいました。クロヤマアリやトビイロケアリはよくアブラムシのなかまに液体をもらいます。このアブラムシはマメアブラムシのようです。

ミミズを運ぶクロヤマアリ
2010年7月1日…大阪府池田市豊島北

 梅雨で雨や曇りの日が続いています。少し雲が薄くなり、明るくなる日がありました。何びきかのミミズが地面に戻れずとり残されていました。2ひきのミミズに数10ぴきのクロヤマアリが集まっていました。

クロヤマアリの飛出
2011年6月19日…兵庫県川西市

 クロヤマアリの飛出がありました。数ひきのオスが見られました。もうすぐメスも出てくるだろう、と思ったのですが植物の観察会の最中だったので続けて見ることはできませんでした。

巣から土を運び出すクロヤマアリ
2012年3月1日…大阪府池田市伏尾町

 例年になく寒い冬が終わりました。やっとおだやかな一日になりました。クロヤマアリが巣から土を運び出していました。

キリウジガガンボを運ぶクロヤマアリ
2012年4月18日…大阪府池田市伏尾町

 畑の横でクロヤマアリがキリウジガガンボを運んでいました。

 上の写真をクリックすると大きな画像で見ることができます。

イモムシを運ぶクロヤマアリ
2012年5月18日…大阪府池田市伏尾町

 特にケムシやイモムシを見かける季節になりました。クロヤマアリも食べ物を探すのにいそがしそうでした。

2013年5月11日…大阪府池田市桃園

 雨が降っていました。しかし、小雨程度ではクロヤマアリは活動を続けていました。こちらは間違いなくクロヤマアリです。

ハヤシクロヤマアリと思われるアリ
2012年11月7日…兵庫県宝塚市

 こちらはI.さんにも見ていただいてハヤシクロヤマアリと思われるアリです。頭部がやや細く感じますがそれだけでは正確に同定はできません。山地にはごくふつうにいるそうです。

イモムシを運ぶハヤシクロヤマアリの写真
2014年5月8日…大阪府池田市五月山

 ハヤシクロヤマアリがイモムシを運んでいました。この時期にはガの幼虫を運ぶクロヤマアリやハヤシクロヤマアリ、クロオオアリをよく見かけます。

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