猪名川の魚

池田市古江町の対岸に、水鳥が観察できる喫茶店『ピノキオ』があります。伊丹市にある昆陽池(こやいけ)からやってきたコブハクチョウや冬のカモが見られるということです。
先日友人にさそわれて行く機会がありました。窓から川岸をのぞくと、水面にうかべた木の箱にパンが入れられており、一匹のドバトがパンをついばんでいました。「冬ならカモが集まるのに…。」と思いながらよく見ると、箱の下で黒いものが何匹もうごめいています。大きなコイが約10匹、そのまわりをすばやく数10匹の小さな魚が泳いでいます。オイカワでしょうか。
池田の川岸でもコイ釣りを楽しんでおられる方が何人もおられます。大きいものでは、90cmを越すものが釣れるそうです。
ところで、90cmを越えるものはめったに来ないでしょうが、50cm以上もあるコイが岸辺に集まってくる時期があるようです。1989年は、4月5日に集まったそうです。産卵のために集まって来るのですが、あみですくってもつかまるほどの浅い所にたくさん集まっているようすは迫力があるそうです。
コイをふくめ猪名川にはさまざまな魚が見られます。少し古い資料になりますが、1982年6月28日に軍行橋(ぐんこうばし)ふきんで行った調査では、肉食のハスやムギツク、ギギ、スジシマドジョウなどの魚を確認することができました。
今からおよそ?年前、まだ猪名川の汚れがひどくなる前には、10cmから15cmくらいの『はりうなぎ』なるものがたくさんいたそうです。針のように細いのでそう呼んだのか、一本のわりばしに四本の大ぐけ(大きなぬい針)を木綿(もめん)の糸でまいたものでついてつかまえたのでそのような呼び方をしていたのかよく分かりませんが、小さなウナギが普通に見られたようです。
猪名川の水や岸辺の自然が保たれれば、またいつの日にか『はりうなぎ』が見られる日がもどってくるのかも知れません。


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