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ヒラズゲンセイとクマバチの写真
2016年6月6日…大阪府箕面市

 キムネクマバチ(クマバチ)が巣に戻ってきました。巣の入り口でヒラズゲンセイのオスがようすをうかがっていました。
 ヒラズゲンセイは、温暖化で分布を広げている。また、カンタリジンという毒をもっているので子どもにまかせての飼育に向かない昆虫です。これらについては、大阪市立自然史博物館の初宿(しやけ)学芸員のホームページのヒラズゲンセイのページに詳しく紹介されています。ヒラズゲンセイを扱う前に必ず見ておきましよう。


ヒラズゲンセイ


ヒラズゲンセイのオスの写真
2014年6月26日…大阪府池田市五月山

 2014年6月26日、昼過ぎに松本 勝さんから「ゲンセイがいます。」と電話をいただきました。大阪府池田市では2010年7月5日に1オス、2メスの死骸が記録されています。NPOシニア自然大学校研究部昆虫科の人たちが調べられたものです。その後ピンポイントでその場所を教えていただき、調べたのですが見つけることはできませんでした。木が切られていたためと思われます。大阪府の北摂地域の記録はこれしか知りませんでした。生きているヒラズゲンセイを見るのはこれが初めてなので感動しました。


公園の中のクマバチの巣
2014年6月3日…大阪府池田市

 ヒラズゲンセイは形がクワガタムシに少し似ているので、「赤いクワガタムシ」と呼ばれたりします。しかし、クワガタムシとは同じ甲虫のなかまですが、まったく違ったツチハンミョウのなかまです。このホームページでも紹介しているヒメツチハンミョウに近いなかまです。クマバチ(キムネクマバチ)の巣に寄生して幼虫が育つのですが、ヒメツチハンミョウと同様にハチについた小さな幼虫の生態などについてはヒメツチハンミョウと同様のように過変態をして育つらしいのですが、まだなぞの部分があるようです。上の写真は町の中の小さな公園に残されたソメイヨシノの枯れた枝につくられた巣にクマバチが入るところです。ヒラズゲンセイが見つかった場所ではありませんが、ヒラズゲンセイが町の中で見つかるのは珍しいことではないそうです。最近は枯れた枝があるとすぐに切られてしまいます。クマバチの巣を探すのに一苦労します。切るときにあとほんの30cmほど枯れた部分を幹に残してもらえたら、多様な生き物のくらしが見られるのにと残念に感じることがよくあります。小さな公園ではお母さんが小さなお子さんと過ごしておられました。ごく日常の町の中の光景です。(※写真は展示等で使わせてもらうことがありますと了解を得て撮影をさせていただいています。クマバチにではなく、お母さんにです。)

小さな公園でくつろぐお母さんと子供


ヒラズゲンセイの大きさ


ヒラズゲンセイの写真
2014年7月17日…大阪府箕面市 Photo. by M.Mat.

 松本 勝さんからまたヒラズゲンセイを見つけたとのメールをいただきました。立て続けに大阪府で2頭も…。どちらもヒラズゲンセイのオスです。勝さんの嗅覚に驚くとともに、実際にはやはり大阪府でも多くなってきていると実感しました。兵庫県の宝塚市でも目撃情報が多くなっているそうです。

ヒラズゲンセイの写真


ヒラズゲンセイのメスの写真
2016年6月6日…大阪府箕面市

 上の写真はヒラズゲンセイのメスです。ヒラズゲンセイの最盛期は過ぎてしまっているのかも知れません。この場所では多い時には20ぴきほどが歩き回り、ゆっくりしていると服の中にまで入ったこともあるそうです。
 ただし、ヒラズゲンセイはヒメツチハンミョウなどと同じツチハンミョウ科の昆虫で、同様にカンタリジンという毒をもっています。体から出る液がつくと炎症を起こします。


ヒラズゲンセイとクマバチと思われる幼虫の写真
2016年6月9日…大阪府箕面市

 ベンチの上に不思議なものが落ちていました。10分ほど前にはありませんでした。黄色いものは、花粉を蜜で丸めたものです。下の幼虫はハチの幼虫のようなのでクマバチ(キムネクマバチ)と思われます。
 1ぴきだけおかしな形をした幼虫は頭部や腹部の先から甲虫の幼虫のようです。ヒラズゲンセイの幼虫と思われます。下の写真です。

ヒラズゲンセイの幼虫と思われる写真


2016年6月18日…大阪府池田市五月山

 「ヒラズゲンセイのメスが飛んでいたので捕獲しました。」との連絡が五月山児童文化センターから入っていました。この前から、大阪府箕面市のヒラズゲンセイを展示してもらっています。ケースを見せてもらうと、大きくて特に元気なヒラズゲンセイがいました。翅を開いてしきりに飛ぼうとしています。「まるで赤いクリオネのようでした。」とのことでした。体が重いので、飛ぶ時には立てたまま飛ぶようです。先日箕面市で見られた方もそのように言っておられました。この日も非常に暑い晴れた日でした。五月山公園にもたくさんのサクラの木があります。落ちている枝を見ると、クマバチの使った後の巣が三つありました。この一帯でも数年前から相当の発生が続いているのだろうと感じました。ヒラズゲンセイのメスが分散する季節なのかもしれません。


飛ぶヒラズゲンセイのオスの写真
2016年6月21日…大阪府箕面市

 梅雨のさなかに雨が止んだので少しだけヒラズゲンセイのようすを見てきました。さすがにクマバチも活動をせず、巣の周囲はおだやかでした。ところが、ついたときからヒラズゲンセイが飛翔していました。すべて風下の東からこの場所に向かってきます。オスもメスも飛んでいたので、「メスが分散のために飛んでいる。」だけとは考えられません。大部分のものは、たくさんクマバチの巣のある場所をおおっているケヤキの葉にとまり、枝まで歩いていました。


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