ところがそんなアサギマダラも追いかけているうちに時期さえ知っていれば、池田市内でもかんたんに出会うことができるチョウであることがわかりました。秋、9月の下旬(げじゅん)から10月の上旬(じょうじゅん)にかけて…それも1ぴきや2ひきではありません。10ぴき以上のアサギマダラに出会うこともできるのです。
1993年9月20分、午前8時20分、池田市菅原町の信号のところで1ぴきのアサギマダラを目撃(もくげき)しました。出勤(しゅっきん)を急ぐ人が何人も歩いておられたのではずかしかったのですがそんなことにはかまっておれません。あみなどもっているはずはありません。なりふりかまわずす手でつかまえようと走りだしました。残念ながらさわることはできたのですが、やはりにげられてしまいました。飛んでいくチョウを見ながら、「そうか、アサギマダラが移動をしていく季節がきたんだな。」と感じました。久しぶりにアサギマダラの移動を見てみたい。そんな思いが頭をよぎりました。
9月26日、緑のセンターのうらで1時間ほど観察をしたのですが姿を見ることができません。
10月5日、午前11時10分ころ自然とのふれあいコースのつり橋で1ぴきのおすをつかまえましました。林床(りんしょう…林の中の低いところ)をふらふらと飛んでいたものです。午前11時30分ころ、市民の森の近くのヒヨドリバナでみつをすっているの2ひきのおすと1ぴきのめすを採集することができました。その後、広場で飛んでくるものを1ぴき目撃、これは南西から飛んできました。15分ほどして、ヒヨドリバナの花が咲いているところに行くと3びきのおすがとまっていました。近くのジョロウグモの巣(す)には、1ぴきのおすがひっかかっていたのではなしてやりました。帰りに緑のセンターうらで1ぴき、その前の橋のところで1ぴき、緑のセンターで1ぴきを目撃しました。
ところで、そこで出会ったsim.さんの話によると、10月4日にはねに番号の書いてあるアサギマダラを採集したというのです。大阪自然史博物館に連絡して確かめてもらったところ、このアサギマダラは、今年8月29日午前10時5分に、直線距離(きょり)で約70キロメートルはなれた滋賀県(しがけん)の比良山(ひらさん)で印をつけられて放されたものだということがわかりました。
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