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幼虫で冬越しするチョウ…オオムラサキ・ゴマダラチョウ

 2005年12月30日、大阪府池田市の五月山へオオムラサキとゴマダラチョウの越冬(えっとう)幼虫を見に行きました。

photo by shimo.

 右がオオムラサキの幼虫、左がゴマダラチョウの幼虫です。

 オオムラサキの背中には4対の突起があります。ゴマダラチョウは前から2番目の突起が小さくそれを除いて3対の突起があります。

 本などでこのように説明されていますが迷います。よく見るとどちらにも4対あるからです。

  オオムラサキの幼虫をよく見ると、4対の突起の大きさにあまり違いがありません。

 また、背中に少し濃い線が2本あります。

 ゴマダラチョウの幼虫は、前から2番目の突起が小さくなっています。右の写真では目立ちませんがもう少し大きいものも見かけます。

 また、背中にはっきりとした線がありません。

 もうひとつの特徴は、大きさです。ゴマダラチョウの方が大きいことが多いのですが、どちらかというと太った感じに見えます。

 五月山ではオオムラサキの成虫の姿をあまり見ませんが、幼虫はかんたんに見つかります。どちらのチョウも幼虫がエノキを降りて根元で越冬するからです。

 ゴマダラチョウの幼虫は木を降りるころには黄緑色のものが多くなります。12月も終わりだというのに左のように黄緑色の幼虫がいました。

 幼虫がかんたんに見つかるといってもエノキがわからないと見つけることはできません。下の写真はエノキを下から見たものです。細かい枝先が特徴です。

 エノキの葉が落ちています。葉の周囲のぎざぎざ(鋸歯…きょしといいます)と小枝がよく落ちているのが特徴です。

 もちろんどのエノキにでもいるわけではありません。

 ゴマダラチョウの幼虫は公園や神社、学校のエノキでも見かけます。オオムラサキよりも乾燥に耐えられるからです。

 エノキの北側の枯葉(エノキについている場合が多い)をめくってください。裏にくっついています。幹に近いほど多くいます。また、少し湿り気があるほうがいいようです。

 北側でなくてもたまに見つかりますが基本的に昆虫の越冬は北側の寒いところで行われます。南側の日光があたる場所では温度が上がり越冬が妨げられます。

 オオムラサキの幼虫がどのような場所にいるかはゴマダラチョウの説明をもとに考えてみてください。